みんなの相続相談所 回答集 / 成年後見制度

将来、自分の判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、今からできることはありますか?

任意後見契約をすることができます。あらかじめ自らが選んだ代理人に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与えることを任意後見契約といいます。

“【任意後見制度】
任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが成年後見人を選任します。
※任意後見契約は、本人の真意による有効適切な契約であることを明確にするため、法務省令で定める様式の公正証書により行われる必要があります。”


成年後見人や未成年後見人は、複数人選ぶことができますか?

複数の後見人を選任することができます。

“【後見人の数】
成年後見人も未成年後見人も、複数選任が可能です。
未成年後見人について、以前は、教育・福祉面について後見人間で対立があるのは子にとって好ましくないということから1人と規定されていました。しかし、子への虐待防止と子の権利利益を擁護する為、この規定は削除され、親権の停止制度を新設し、未成年後見人に複数の個人や法人を選任できることになりました。”


法定後見人制度の成年後見人は、誰が選ぶのですか?

法定後見人制度の場合は、家庭裁判所が選任します。

“《成年後見人の選任》
【法定後見制度】
法定後見制度は、本人が精神上の障害により判断能力が不十分となったときに、親族等が家庭裁判所に後見人等の選任を申立て、家庭裁判所が後見人等を選任する制度です。
【任意後見制度】
任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが成年後見人を選任します。”


成年後見が開始された場合、後見事項はどこかに記録されるのですか?

後見事項は、後見登記等ファイルに記録されます。

“【成年後見登記制度】
成年後見が開始された場合は、「成年後見登記制度」により、後見事項が後見登記等ファイルに記録されます。
「成年後見登記制度」とは、成年後見人などの権限や任意後見契約の内容などをコンピュータ・システムによって登記し、登記官が登記事項を証明した登記事項証明書(登記事項の証明書・登記されていないことの証明書)を発行することによって登記情報を開示する制度のことです。”


任意後見制度と法定後見制度は、何が違うのですか?

“将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ成年後見人を選任しておく制度が、「任意後見制度」です。
判断能力が不十分となったときに、家庭裁判所に申立て、家庭裁判所が後見人等を選任する制度が「法定後見制度」です。”

“【任意後見制度】
任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが成年後見人を選任します。
※任意後見契約は、本人の真意による有効適切な契約であることを明確にするため、法務省令で定める様式の公正証書により行われる必要があります。
【法定後見制度】
法定後見制度は、本人が精神上の障害により判断能力が不十分となったときに、親族等が家庭裁判所に後見人等の選任を申立て、家庭裁判所が後見人等を選任する制度です。
※後見開始の審判の請求権者は本人、配偶者、4親等以内の親族、検察官、市町村長(老祉法32条他)等です。”


“成年後見登記制度というのがあると聞きましたが、これは誰でも閲覧できるのでしょうか?

誰でも閲覧できません。開示を請求できる人は、本人や成年後見人などに限定されています。

“【成年後見登記制度】
成年後見登記制度は、成年後見人などの権限や任意後見契約の内容などをコンピュータ・システムによって登記し、登記官が登記事項を証明した登記事項証明書(登記事項の証明書・登記されていないことの証明書)を発行することによって登記情報を開示する制度ですが、《開示》を請求できる人は、本人や「成年後見人等」などに限定されています。”


成年後見制度の選任はどこがするのでしょうか?

家庭裁判所が選任します。

“【法定後見制度】
法定後見制度は、本人が精神上の障害により判断能力が不十分となったときに、親族等が家庭裁判所に後見人等の選任を申立て、家庭裁判所が後見人等を選任する制度です。
※後見開始の審判の請求権者は本人、配偶者、4親等以内の親族、検察官、市町村長(老祉法32条他)等。”


成年後見人は複数選任することができますか?

複数選任することができます。

“【複数の成年後見人の選任】
成年後見人・未成年後見人は、複数人選任することができます。
これまでは、複数の後見人を選んでしまうと、これらの人たちの間で意見の対立や混乱が生まれた場合に後見事務が滞ってしまうから、後見人の数は1人に制限されていました。
しかし、後見人の1人を親族にして、もう1人を法律家や福祉の専門家にするなど、複数の後見人が認められると本人の手厚い保護が図れるという観点から改正されました。”


成年後見制度について、法定後見制度は、家庭裁判所が後見人等を選任すると聞きました。任意後見制度は、どのようにして契約を交わすのですか?

任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書により行われる必要があります。

“【任意後見制度】
任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが成年後見人を選任する制度です。
任意後見契約は、本人の真意による有効適切な契約であることを明確にするため、法務省令で定める様式の公正証書により行われる必要があります。”


夫が被後見人となる場合、妻が必ず後見人にならなくてはいけませんか?

配偶者がなる必要はありません。

“【配偶者後見人制度の廃止】
配偶者が、原則として、後見人等になる配偶者後見人制度は平成11年の改正で廃止されています。”


後見開始の請求権者は、本人、配偶者、4親等内の親族だけですか?

“検察官、市町村長も請求ができます。
ただし、市町村長には、一定の要件があります。”

“【後見開始の請求権者】
後見開始の審判の請求権者は本人、配偶者、4親等以内の親族、検察官、市町村長(老祉法32条他)等となります。”


成年後見人制度を利用する際には、支援される人の同意は必要ですか?

同意は必要としません。

“【成年後見人制度】
成年後見人制度においては、「後見」の成年後見制度を利用する際には支援される人の判断能力は極端に低下しており、成年後見制度を利用することについての判断すらも難しい状況だと思われます。このことから「後見」の成年後見制度を利用する際に支援される人の同意は不要と定められています。”


「保佐」の成年後見制度を利用する場合、家庭裁判所によって保佐人に一定の代理する権限が認められた場合には、被保佐人の同意は必要となりますか?

同意は必要となります。

“【家庭裁判所による保佐人が代理する権限の認定】
「保佐」の成年後見制度を利用する場合、「後見」を利用する場合と同じく支援される人の同意は必要ありません。しかし、家庭裁判所によって保佐人に一定の代理する権限が認められた場合にのみ、その権限の悪用を防ぐため、支援される人の同意が必要となります。
【保佐の成年後見制度】
「保佐」の成年後見制度を利用できるのは、重要な財産(土地や車など高額な物)を管理したり処分したりするには、常に援助が必要な人です。具体的には、知的・精神的障害のある人、認知症がある程度進行している高齢者など、判断能力が著しく不十分で、日常的な買い物くらいは自分でできますが、重要な契約などは難しいという人などが挙げられます。”


「補助」の成年後見制度を利用する場合には、支援される人の同意は必要ですか?

同意は必要となります。

“【補助の同意】
「補助」の成年後見制度を利用する場合には、必ず支援される人の同意が必要となります。
「補助」の成年後見制度を利用できるのは、判断能力が不十分ながら自分で契約などができますが、誰かに手伝ってもらったり、代わってもらうほうがよいと思われるような人です。具体的には、軽度の知的障害者・精神障害者・初期の認知症の状態にある人などが挙げられます。”