みんなの相続相談所 回答集 / 相続税の申告

相次相続控除とは、どのような制度ですか?

1回めの相続より10年たたないうちに続けて相続があると、2回目の相続では1回目に払った相続税の一部を差し引くことができる制度です。

“【相次相続控除】
10年たたないうちに続けて相続があると、2回目の相続(第2次相続)では1回目に払った相続税の一部を差し引くことを相次相続控除といいます。この場合、前の相続のことを「第1次相続」といい、後の相続のことを「第2次相続」といいます。ただし、適用できるのは法定相続人に限られています。
今回亡くなった人が、前回のときの相続で支払った相続税から、(10-前回から今回までの経過年数)×10%で算出した額を控除することができます。”


相続税の申告書は、どこに提出するのですか?

被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署に提出します。

“【相続税の申告書の提出】
原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人死亡時の住所地を管轄する税務署に提出しなければなりません。”


“夫が亡くなり、相続人は妻である私1人です。遺産は現預金のみで、基礎控除以下の金額です。
この場合、相続税の申告は必要ですか?”

相続税の申告は不要です。

“【遺産総額が基礎控除額以下の場合】
遺産総額が基礎控除額以下の場合、相続税の申告は不要です。
ただし、申告が不要な場合でも税務署からの問い合わせが来る場合があります。この場合、基礎控除以下のため申告が不要である旨の書類を提出することになりますので、資料等の保管はしておきましょう。


孤独死で死亡した日がわからない場合、相続開始の時の判断はどうするのですか?

推定される死亡時期に幅がある場合には、その最終の時期を死亡時期としています。

“【孤独死における相続の開始の時】
孤独死の場合、死亡の年・月・日・時が不明な時があります。
相続の開始の時の判断は、課税関係の判断自体に影響しますが、相続税法に特別の規定がないことから、民法の規定による(出典:東京国税局・資産税審理研修資料・平成20年8月)ことになり、以下の通りです。
①年月が明らかで推定日に幅がある場合(例:12月1日から10日の間)→最後の推定日の終日(12月10日)となります。
②推定月までしか知り得ない場合(例:12月)→推定月の末日(12月31日)となります。
③年が明らかで推定月に幅がある場合(例:平成22年1月から6月の間)→最後の月の末日(6月30日)となります。
④推定年までしか知り得ない場合(例:平成22年)→その年の最終日(例:平成22年12月31日)となります。
⑤年に幅がある場合(例:平成20年から平成22年の間)→最後の年の末日(平成22年12月31日)となります。”


相続税の申告書の提出期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内ですが、延長はできないのですか?

一定の事由に該当し、その事由が生じた日後1ヶ月以内に申告期限が到来する時は、2ヶ月の範囲内で申告期限の延長を申請することができます。

“【相続税の申告書の提出期限延長】
以下の事由が生じた日後1ヶ月以内に申告期限が到来する時は、2ヶ月の範囲内で申告期限の延長を申請出来ます。
・相続人の認知・排除等相続人に異動が生じたこと
・遺留分による減殺請求があったこと
・遺贈に係る遺言書が発見され、又は遺贈の放棄があったことや死亡退職金等の支給が確定した場合 等”


相続税の申告書の提出期限にに間に合わなければどうなるのですか?

申告期限後に申告書を提出した場合、無申告加算税と延滞税が課税されることとなります。

“【申告期限後の提出】
申告期限後に申告書を提出した場合、調査や校正又は決定があるべきことを予知して提出されたものでない場合であったとしても、納付すべき税額に5%の割合を乗じた無申告加算税と、法定納期限の翌日からその税金を完納する日までの期間の日数に応じ、延滞税も課せられます。”


夫の相続において、小規模宅地等の特例を受けると、相続財産が評価減され、基礎控除額を下回ります。この場合、相続税の申告書の提出は必要ですか?

小規模宅地の評価減をうけるためには、相続税の申告が必要です。

小規模宅地等の評価減の特例を利用するには、相続税の申告期限内(10ヶ月以内)に相続税の申告をしなければならないので、基礎控除額を下回っても申告書提出が必要です。


夫が亡くなりました。遺産は現預金、私が受取人の生命保険金と死亡退職金です。生命保険金と死亡退職金の非課税枠を控除すると、基礎控除額を下回ります。この場合、相続税の申告書の提出は必要ですか?

相続税の申告の必要はありません。

死亡保険金の非課税額、死亡退職金の非課税額はともに被相続人の相続財産から控除することができ、控除後の相続財産が基礎控除額以下であれば申告の必要はありません。


相続税の申告時に、配偶者の税額軽減の特例の適用を失念していました。何か救済措置はありますか?

相続税の申告時に配偶者の税額軽減の特例の適用を失念した場合は、救済措置として更正請求書でこの特例を受けることが認められます。

“【配偶者の税額軽減の特例の適用を失念した時の救済措置】
2011年12月1日までは、相続税の申告の時にこの特例の適用を受ける手続きをしない場合は、この特例の適用を認めていませんでした。しかし、その手続きを失念した場合は、その後一切救済しないのは酷だという批判があり、このような批判を考慮して、2011年12月の改正で、更正請求書でこの特例を受けることが認められることになりました。 贈与税では、贈与税の配偶者控除の規定があります。婚姻期間が20年以上の配偶者から自宅(土地、家屋)の贈与を受けた場合は、2,000万円までを贈与税の課税対象から除外する特例です。この特例も贈与税の申告書で適用を受ける旨の記載が必要であったが、更正請求書で適用を受けることが可能になりました。”


納税者が未成年の場合、用意する書類はありますか?

“納税者が未成年の場合、相続税の申告の際には以下の書類が必要となります。
①未成年者の戸籍謄(抄)本
②法定代理人(親権者又は未成年後見人)の印鑑証明書”

“【未成年が納税する場合】
遺産分割協議書を作成する際に、未成年者が相続人に含まれる場合は、特別代理人の選任が必要になり、申告の際にも遺産分割協議書のコピーに添付することになりますが、申告そのものには法定代理人(親権者又は未成年後見人)の印鑑証明書が必要となります。”


相続税の申告期限後に申告書を提出したら、相続税に加算税は課せられますか?

“申告期限までに申告書を提出しないで期限後申告又は決定する場合と、期限後申告又は決定があった後に修正申告又は更正する場合には、無申告加算税が課せられます。

“【無申告加算税】
申告期限までに申告書を提出しないで期限後申告又は決定する場合と、期限後申告又は決定があった後に修正申告又は更正する場合には、無申告加算税が課せられます。
税率は15%、ただし、納付すべき税額が50万円を越える場合には、その超過部分については20%の税率となります。
なお、税務調査の結果、決定又は更正が行われるということを全く予知しないで、自主的に期限後申告又は修正申告を行った場合には税率が5%に軽減されます。”


税務調査の前に修正申告書を提出した場合、どの様な加算税が課せられますか?

修正申告書を提出した場合、原則として過少申告加算税が課せられますが、調査や更正を予知せずにした修正申告の場合は課せられません。

“遺産分割でもめていたり、遺産の調査が不十分で全てを申告期限内に把握出来ない場合でも、相続税の申告書の提出が遅れると無申告加算税や延滞税等の不必要な費用が発生します。
修正申告書を提出した場合、原則として過少申告加算税が課されますが、調査や更正を予知せずにした修正申告の場合は課されません。”


株式や、社債を物納することはできますか?

要件を満たしていれば物納することは可能です。

“【物納できる財産】
物納申請財産は、納付すべき相続税の課税価格計算の基礎となった相続財産のうち、次に掲げる財産及び順位で、その所在が日本国内にあることとされます。
第1順位 不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式等※1
第2順位 非上場株式等※2
第3順位 動産
※1 特別の法律により法人の発行する債券及び出資証券を含み、短期社債等を除きます。
※2 特別の法律により法人の発行する債券及び出資証券を含み、短期社債等を除きます。”