みんなの相続相談所 回答集 / 相続財産と債務控除

香典返しは、相続税の計算上、債務控除の対象になりますか?

いいえ。香典返しは、債務控除の対象になりません。

“【香典返しのためにかかった費用】
香典については、社会通念上相当は範囲内では贈与税も相続税もかからないため、香典返しについても葬式費用に含めないものとして取り扱います。”


亡くなった母が、所有していた仏具に骨董的な価値があるようです。これは、相続税の対象ですか?

相続税の対象となる可能性があります。

“【墓地や祭祀道具など】
「墓所、霊廟及び祭具並びにこれらに準ずるもの」は、相続税法で相続税の課税価格に算入しない財産(非課税財産)とされています。
ただし、美術品と認定されるような黄金の仏壇や貸金庫に入っている高価な仏像等は、非課税財産に該当しないとみなされます。また、骨董品又は投資の対象として所有するものは、祭具等に含まれません。”


故人の希望で、故郷の海に散骨をしました。散骨に要した費用は、葬式費用として控除可能なのでしょうか?

葬式の一環として行われるものであれば、葬式費用として控除可能です。

“【散骨費用】
故人の要望に応え、遺族が海や山へ散骨をした場合、葬式の一環として行われるものであれば、葬式費用として差し支えはありません。
しかし、渡航したついでに観光も行うような場合、全てを葬式費用としては認められません。”


父の四十九日の法要費用を、相続人で長男の私が負担しました。この費用は、相続税の計算上、債務控除できるのでしょうか?

“相続税の計算上、債務控除できません。

“【法会のためにかかった費用】
初七日や四十九日等の法会のためにかかった費用は、葬儀と異なり、死者の追善供養のために営まれるものであるため、債務控除することはできません。”


税理士に支払った相続税の申告手続きの費用は、葬儀費用などと同様に債務控除できるのでしょうか?

税理士に支払った相続税の申告手続きの費用は、債務控除できません。

“【税理士に支払った申告費用】
遺言執行費用や相続税の申告手続きの費用など、相続後に発生する費用は控除される債務に含まれません。”


亡くなった父の住宅ローンの残債務について、相続財産から債務控除することはできますか?

団体信用生命保険で相殺される借入金を除いた残債務を、相続財産から債務控除することができます。

“【住宅ローンの残債務】
住宅ローンの残債務は、団体信用生命保険で相殺される部分を除いて相続財産から債務控除できます。
【団体信用生命保険】
団体信用生命保険は、契約者および受取人が金融機関となります。
したがって、たとえ被保険者(住宅ローン債務者)の死亡により、死亡保険金が支払われるものであっても、「みなし相続財産」とはなりません。”


“父の相続にあたって、私は相続放棄をしましたが、遺贈により父の遺産を取得しています。
父の葬式費用は、私が負担したのですが、遺贈された財産から葬式費用を控除することはできますか?”

葬式費用を債務控除することができます。

“【相続放棄した者が負担した葬式費用】
相続放棄をした者が、被相続人の葬式費用を負担した場合、その負担額をその負担者の遺贈による取得財産の価額から債務控除しても差し支えないとして取扱われています(相続税法基本通達13-1)。”


弁護士に支払った被相続人に係る遺言執行費用は、債務控除できますか?

遺言執行費用は債務控除できません。

“【遺言執行費用】
遺言執行費用は、被相続人が残した債務ではないため、債務控除できません。”


税理士に支払った相続税の申告手続きの費用は、債務控除できますか?

債務控除できません。

“【債務控除できない費用】
遺言執行費用や相続税の申告手続きの費用など、相続後に発生する費用は控除される債務に含まれません。”


先日亡くなった母が、生前購入してた墓地の代金を払っていないことが相続開始後に判明しました。この未払い分は、債務控除できますか?

未払いの代金は債務控除することはできません。

“【未払いの墓地の購入代金】
墓地は非課税財産です。しかし、その購入代金の未払債務については、債務控除できません。”


今年2月に父が亡くなりました。6月に住民税の納付書が届きましたが、既に亡くなっているのですが、納付しなければいけないのでしょうか?

相続人で住民税を納付しなければいけません。

“【被相続人の住民税の納付】
住民税は、その年の1月1日に住んでいた市町村で課税されます。よって、年の途中で死亡した人も、1月1日には生存していたので、その年の住民税は納めることになります。また、死亡した人が払うべき住民税が残っている場合、相続人代表を指定し、相続人代表になった人が、残っている住民税の支払いを代表して引受けます。未納の住民税は、被相続人の債務として、相続財産から控除されます。”