みんなの相続相談所 回答集 / 贈与税の課税財産

親の土地を無償で借りて、子である私名義で住宅を建てています。土地を借りていることに対して、親にお金は支払わないと贈与とみなされることはありますか?

贈与とみなされることはありません。

“【使用貸借】
目的物の貸借に際して、使用の対価の収受がなく無償(土地の貸借の場合、地主における固定資産税等相当額の実費程度の負担も、その範囲に含まれる)であるもの使用貸借といいます。
質問のような親の土地を無償で借りる使用貸借は、土地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われるので、親の所有している土地を無償で借りて子供の名義の建物を建てても、子供が借地権相当額の贈与を受けたとして贈与税が課されることはありません。”


マンション購入にあたって、銀行で住宅ローンを組みます。マンションも住宅ローンも夫名義の予定ですが、共働き夫婦のため、返済は、夫婦両方の収入から行いたいと考えています。可能でしょうか?

夫婦両方の収入から返済を行うことは可能ですが、ご主人様の収入と奥様の収入の割合に応じて返済されたものと考え、奥様が返済した部分について、ご主人様に対する贈与として贈与税が課税されます。

“【夫名義の不動産ローンを共働き夫婦で返済した場合】
共働き夫婦のため、ローン返済を夫婦それぞれの収入から行うとした場合、返済の年ごとに妻から夫に贈与があったものとされます。その年の返済額に妻の所得が夫婦の所得の合計に占める割合を乗じて計算した金額がその年の贈与額になります。
※夫名義の不動産ローンを共働き夫婦で返済した場合、不動産の名義は夫ですが、ローンは夫婦の連帯債務となります。”


法人から贈与を受けました。贈与を受けたのは、個人宛です。贈与税が課税されるのでしょうか?

一時所得または給与所得として、所得税・住民税が課税されます。

“【法人からの贈与】
法人から個人に贈与があった場合、所得税が課税されます。
・法人と個人間に雇用関係(従業員・役員)があれば「給与所得」になります。
・法人と個人間に雇用関係がなければ「一時所得」となります。”


子どもの学費を貯めるため、数年前、銀行で子ども名義の通帳を作りました。夫の給料から毎月一定額を、この通帳に入金しています。これは贈与に該当するのでしょうか?

お子様が、その預金の存在を知らない場合、贈与は行われていないとされます。

“【名義預金と贈与】
名義預金とは、質問のような、形式的には家族の名前で預金していますが、実質的にはそれ以外の真の所有者がいる預金をいいます。
名義預金が贈与に該当するか否かについて、贈与契約は、贈与をした人と贈与を受けた人双方の意思表示がなければ成立しません。したがって、質問のように子ども(贈与を受けた人)が、その預金の存在を知らない場合、贈与は行われていないとされます。”


相続を考える上で、将来値上がりする可能性のある財産は、贈与しておいた方がよいですか?

はい。相続を考えたとき、将来値上がりする可能性のある財産は、贈与しておくと、有利となります。

“【値上がりする可能性のある財産】
相続を考えたとき、将来値上がりする可能性のある財産は、贈与しておくと、有利です。
つまり、相続税評価額の低いうちに贈与しておくことで、相続財産の増加を予防できます。”


扶養をしてもらっている親から、数年分の生活費を一括して贈与してもらいました。贈与してもらった資金を生活費として使用せず、銀行預金に入れた場合、贈与税は課税されますか?

はい。質問のように生活費として贈与された資金を生活費に充てず、預金に充てた場合、贈与税の課税対象となります。

“【扶養者からの生活費又は教育費の一括贈与】
生活費又は教育費として必要な都度、直接これらのように充てた場合は、贈与税の課税対象となりません。
しかし、贈与を受けた財産が、生活費又は教育費に充てられず、預貯金になっている場合は、贈与税の課税対象となります。
※預貯金だけでなく、株式や家屋の購入費用に充てられた場合も課税対象となります。”


父から子へ著しく低い対価で土地を売却した場合、税金は課税されますか?

原則としてその土地の売却時の時価と支払われた対価との差額に相当する額に対して贈与税が課税されます。

著しく低い価額の対価で土地の譲渡を受けた場合、その土地の譲渡時点の時価と対価として支払った売買価額との差額に対し、贈与税が課税されます。


親の住宅に子が資金を出して増築しようと考えています。増築した部分だけ私の名義にすることはできますか?

増築した部分だけ区分登記することはできません。対策を取らなければ、親への贈与とみなされ、贈与税が課税されます。

“【親の住宅に子が増築】
親の住宅に、子が増築をする場合に、増築部分だけを区分登記することはできないため、そのままでは子から親への資金贈与となります。
事前に、親から建物を譲渡または贈与により子が建物を取得する、あるいは増築後に持分を変えるなどの対策が必要です。”


“親にお金を借りています。借用書を作成し、賃借としての形式は備えていますが、返済はしておらず、実態は贈与です。
このような場合贈与税が課税されますか?”

贈与税が課税される場合があります。

“【親子間の金銭貸借】
形式上貸借という要件を備えていても、実質的に贈与である場合は贈与税が課税されます。”


対価を支払うことなく、不動産の名義を父から子へ書き換えました。税金は発生しますか?

贈与税が課せられます。

“【不動産の名義書換】
不動産、株式等の名義変更があった場合で、対価の授受が行われていないときは、みなし贈与財産として贈与税の課税対象となります。”


父から子へ著しく低い対価で土地を売却した場合、時価との差額に税金が発生しますか?

贈与税が課せられます。

“【著しく低い対価での売買】
父が子へ著しく低い対価で土地を売却した場合、原則として、その土地の売却時の時価と支払われた対価との差額に相当する額がみなし贈与財産として贈与税の課税対象となります。”


贈与した財産に瑕疵があった場合、その瑕疵に対して責任を負わなければいけませんか?

贈与者がその歌詞を知らなかった場合は責任を負いません。

“【贈与財産の瑕疵に対する責任】
贈与においては、目的物に隠れた瑕疵(欠陥、不具合)がある場合でも、贈与者は原則として責任を負いません。
ただし、贈与者が目的物の瑕疵等の存在を知っていたのにこれを受贈者に告げなかったときは、贈与者は損害賠償責任を負う旨が規定されています。この損害賠償の範囲には、瑕疵がなかったら受贈者が得られたであろう利益(履行利益)までは含まれず、受贈者が瑕疵を知らなかったために被った損害(信頼利益)に限られます。
また、受贈者の方も瑕疵の存在を知っていた場合は、結論が再度覆り、贈与者は損害賠償責任を負いません。”


本人の意思表示が困難である幼少の孫に対する贈与は成立しますか?

孫の親権者である父母が財産管理権と法定代理権を行使して祖父母から贈与された財産管理等を行うことで、幼少の孫に対する贈与は成立すると考えられます。

“【幼少の孫への贈与】
祖父母の贈与の意思表示に対する、幼少の孫の受贈を承諾する意思表明は困難なので、孫の親権者である父母が財産管理権と代表権(法定代理権)を行使して(民法第824条)、祖父母から贈与された財産の管理行為等を行うことで、幼少の孫に対する贈与は成立すると考えられます。”


不動産を贈与で取得しました。贈与税の納税義務が生じる「取得時期」はいつになりますか?

原則として、「所有権の移転登記がなされた時=贈与日」と見るのが妥当です。

“判例によると、所有権の移転登記がなされた日を贈与日と見なすのが妥当であるとされています。
【平成11年6月24日 最高裁判決】※贈与契約書を公正証書で作成したものの相当期間にわたり、所有権の移転登記をしていなかった場合についての判例
不動産の贈与で公正証書等の書類作成は「贈与が行われたのに、何らかの事情で登記が得られない時や、登記のみでは明らかに出来ない契約内容等が存在する時に意義がある」のであり、本来は所有権の確保に一番確実な手段は、所有権の移転登記が通常で、公正証書等契約書作成は脱税目的と考えられるとの判断。相続税法基本通達では、贈与での財産の取得時期を「書面によるものはその契約の効力の発生した時より、書面によらないものはその履行の時」としているが、これは原則的取扱いを規定しているもので、たとえ書面での贈与でも、当該書面の作成が単に形式的なもので、書面作成後に当該贈与による贈与税の申告をせず、かつ、相当期間(通常は税務上の徴収権が消滅する最長期間の7年以上のケースが多い)にわたり特別の理由もなく、当該贈与による不動産の所有権の移転登記が行われない場合は、その登記が行われた時に贈与があったと考えられる。”


ゴルフ会員権を贈与された場合、贈与金額はどの様に評価しますか?

ゴルフ会員権は、通常の取引価格の70%相当金額で贈与金額を評価します。

“【ゴルフ会員権の贈与】
ゴルフ会員権は、通常の取引価格の70%相当金額で、贈与金額を評価します。また、贈与を受けた者が、その後ゴルフ会員権を売ったことにより生じた損失は、事業所得や給与所得など他の所得と損益通算することができます。”


賃貸建物のみ贈与した場合、贈与後の敷地を貸家建付地として評価することができますか?

賃借人に異動がない場合は貸家建付地として評価することができます。

“【賃貸建物のみの贈与があった場合の土地の評価】
①贈与後でもその敷地が貸家建付地として評価されるのは、賃借人に異動がない場合に限られる。(使用貸借通達4に明記。)
②建物贈与後に建物の賃借人の異動があった場合、その時点で受贈者がその後の利用を意思決定するものであり、その敷地の相当の地代等の支払がなければ、原則として使用貸借なのでその敷地は自用地(更地と同等評価)として評価する。
《賃貸建物を贈与する場合の対策》
贈与前に賃貸建物を一括して法人等に貸付、その後贈与を行うと、賃借人には異動がないので、贈与後も貸家建付地として評価することができます。”


賃貸建物のみを贈与する場合、贈与後も貸家建付地として評価するためにはどのような対策がありますか?

賃借人に異動がない場合は貸家建付地として評価できるので、贈与前に賃貸建物を一括して法人等に貸付、その後贈与を行うと、賃借人には異動がないので、贈与後も貸家建付地として評価することができます。

“【賃貸建物のみの贈与があった場合の土地の評価】
①贈与後でもその敷地が貸家建付地として評価されるのは、賃借人に異動がない場合に限られる。(使用貸借通達4に明記。)
②建物贈与後に建物の賃借人の異動があった場合、その時点で受贈者がその後の利用を意思決定するものであり、その敷地の相当の地代等の支払がなければ、原則として使用貸借なのでその敷地は自用地(更地と同等評価)として評価する。
《賃貸建物を贈与する場合の対策》
贈与前に賃貸建物を一括して法人等に貸付、その後贈与を行うと、賃借人には異動がないので、贈与後も貸家建付地として評価することができます。”